2009(平成21)年12月11日(金)、本学福祉棟D303教室にて、本学福祉学科卒業生を対象に今年度5回目のふらっとセミナー 「タクティールケア 〜認知症緩和ケア教育プログラム参加報告〜」を開催しました。
「タクティールケア」とは、スウェーデンで生まれた療法であり、介護者の手で認知症の方や障害のある方の手や足・背中をやわらかく包み込むようになでることにより、不安な感情を取り除き、痛みを和らげる療法です。
今回は、「タクティールケアTコース」として、研修会参加報告と手法紹介を行いました。
セミナーには、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、病院などで働く卒業生9名が参加しました。
【参加者の感想】
Mさん(特別養護老人ホーム勤務:2年目)
タクティールケアを受けたことにより興奮している利用者が落ち着いた紹介ビデオを見て、「すごい」と感じ、自分の働いている施設でも取り入れたいと思いました。
実践体験の時には、上手くできなかったので、今回のセミナーをきっかけに、さらに勉強したいです。
Yさん(特別養護老人ホーム:1年目)
現場で認知症の方と関わるうえで、悔しいことがたくさんあります。その1つとして、「あー、あー」と私に向かって叫んでくる利用者の方の思いが分からず、いつも何もできなかったことです。「どうしたんですか」と声をかけながら、体に触れたり寄り添うことができていなかったのではないかと、考えさせられました。
Iさん(病院勤務:4年目)
タクティールケアをしていると、自分の気持ちも穏やかになります。早速、職場の利用者の方や自分の祖母にもしてあげたいと思いました。
今後の日本の福祉の現状を、自分達がもっとしっかりと考えていかなければならないと感じました。
「ふらっとセミナー」とは、介護福祉士として特別養護老人ホームなどに勤務する本学卒業生を対象に、気軽に(ふらっと)母校に立ち寄ってもらい、卒業生同士のネットワークづくりと専門性の向上をめざす機会となるよう、2006(平成18)年度から始めた取り組みです。年に6回実施し、4回は「介護支援専門員受験対策講座」、2回は「研修報告や最新情報の提供等」を行っています。
本学教員も参加し、相互に深め合う場となり、その成果は在学生への教育にも活かされています。