2018(平成30)年9月1日(土)、2日(日)に、第35回和漢医薬学会学術大会が岐阜県岐阜市の長良川国際会議場で開催され、本学科の藤田恭輔講師が平成30年度和漢医薬学会奨励賞を受賞しました。
和漢医薬学会は、和漢薬について科学的視点から最新の知見を討議し、基礎と臨床の橋渡しを目的とする学会であり、約670名が所属しています。
和漢医薬学会奨励賞は将来性のある研究を行い、同学会の英文国際学術誌「Traditional & Kampo Medicine」において成果を発表した若手研究者に与えられる賞です。
対象となった論文のタイトルは、「Changes in lipidomic profiles in liver associated with sodium cholate-induced liver injury and its prevention by Boiogito, a Japanese herbal medicine, in mice.(防已黄耆湯はマウスにおいてコール酸ナトリウム誘発性肝傷害を抑制するとともに肝臓の脂質構成を変化させる)」」であり、Traditional & Kampo Medicine第3巻9-19ページ(2016年)に掲載されています。
この研究では、漢方薬のひとつである防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)が胆汁うっ滞型肝傷害のモデルマウスに対して改善作用をもつことを明らかにしました。防已黄耆湯はこれまで、水太りの体質をもつ肥満症などに対して使われていましたが、この研究により防已黄耆湯の新たな効能を実験により証明することができました。
藤田講師は「食の分野においても『医食同源』とよばれる伝統医学の考えが重要になっている。今後は、これまで培った伝統医学の知識を生かして、富山短期大学において栄養学の研究や教育にさらに尽力していきたい。」と話しました。